ファナック(6954)についての考察@2020年9月
*こちらの記事は特定の有価証券の売買の推奨を目的としたものではありません。個人の考えを整理するために備忘録としてまとめており、情報の正確性を担保するものではありません。投資判断やそれに伴う損益については完全に自己責任でお願いします。
【サマリー】
・現時点ではUnderweight(個人的主観)
・アップサイドシナリオは、FIELDシステム、デジタルユーティリティクラウドのみか。
【財務】
・2015年をピークに売上・営業利益ともに右肩下がり。
・一時は営業利益率40%も過去の栄光
・コロナの影響も大きく、苦戦が続きそう。
ファナックの企業情報 - 6954 / 東証1 / 電気機器 | バフェット・コード
【株価】
・時価総額3.9兆円
・コロナ発生4月時に底をつけ、7月にかけて急反発
・業績の上方修正をかけたものの、その後大きく売り込まれる。
ファナックの株価指標 - 6954 / 東証1 / 電気機器 | バフェット・コード
【事業】
・スマホ特需が剥がれ、小型切削加工機の売上鈍化
・FA事業の停滞:三菱電機・シーメンス・中国企業のNC装置の追い上げ。
・ハードのみの製造販売では限界を迎えている。
・幾重にも逆風が吹く状況。
【プロダクト】
・FA
・Robot
・Robo-Machine
・FIELD System
- IoTxエッジAIxクラウド=スマートファクトリー
- Edge Heavyの思想に基づく
【ファナック再生のシナリオは?】
・やはり精密機械単体のビジネスモデルから、AI・IoTなどの付加価値の提供ができる次世代のビジネスモデルに転換できるか。そしてその付加価値を顧客が求めてお金を払ってくれるか。
・ハード製造のマニュファクチャラーとしての強みを生かせるか(ソフトウェア会社がハード製造に参入するのは設計・量産の面から難しいため現在のアドバンテージを活かせるか)
【個人的感想】
・今後2030-40年に向けて、ロボットの需要はいや増して加速していくだろう。その中でファナックは日本が誇るハードマニュファクチャラーであるので、是非次世代のロボット産業でも中核を担ってほしい。しかし、現在はトヨタと同様に、20世紀で勝ち取った栄光を一度捨て去り、新たな企業にトランスフォームする大転換期を迎えている。その意味において、このトランスフォーメーションの成功ができると信じられるのであれば、現在のファナック株はお買い得にも見えなくもない。いずれにしても、『ロボティクスxAI』、ここの融合を成し遂げた企業が21世紀の覇者となる。