【IPO銘柄】アララ株式会社
*こちらの記事は特定の有価証券の売買の推奨を目的としたものではありません。個人の考えを整理するために備忘録としてまとめており、情報の正確性を担保するものではありません。投資判断やそれに伴う損益については完全に自己責任でお願いします。
【会社概要】
・2006年創業
・従業員数84名
・2020年11月IPO予定
【事業概要】
A) Point+Plus(キャッシュレス)
自社専用の電子マネー。ポイントや再来店を促す各種キャンペーン機能を装備。
顧客はスーパー・飲食店・小売。
チャーンレートは0.25%(2020年8月期の月次解約率)
B) メッセージング
メール配信システム。企業のメールマーケティングのサポート。
顧客ペインは「メルマガ作成する際HTMLがネックで工数増加や人材が限られる」、「1日あたり300万通あり、1回送信完了まで10時間かかる」など
チャーンレートは0.9%(2020年8月期の月次解約率)
C) データセキュリティ(P-Pointer)
個人情報検出・管理システム。高速でファイルをスキャンし、個人情報を検出、保管ルールの徹底状況を把握できる。
顧客ペインは「個人情報管理に関連するセキュリティ向上」
チャーンレートは1.00%(2020年8月期の月次解約率)
D)AR
【ビジネスモデル】
・B)メッセージング事業、C)データセキュリティ事業を安定成長事業として収益基盤の確保
・A)キャッシュレス事業を高成長事業として中長期的な収益拡大を目指す
・「月額利用料」「手数料」「年間ライセンス料」などのリカーリングビジネス
・収益の87%はリカーリング、13%が「初期費用」「受託開発」
【財務面】
・粗利率:62%
・従業員あたり売上高:1400万
・前受金(負債)が膨らみやすい性質
【資本政策】
・創業者28.7%保有
・VC等保有比率:19.3%(ドコモイノベーションファンド、大和ベンチャー、EEIなど)
・普通株式のみ
・事業会社からデンソーウェーブ、ビットキャッシュなど
・一部海外投資家も存在
【IPOオファリング】
・売出比率:51.9%
・オファリングレシオ:14.9%
・想定時価総額84.8億円(想定価格1,385円)
【所感】
・キャッシュレス事業に経営資源をフォーカスしていくとのことだが、大手企業参入による競争激化が容易に見込まれる。当社は差別化要素として、「ハウス電子マネーの強みを活かしたビジネスの多様化」を目指すとあるが、果たしてどこまでDefensibilityがあるのか
・メッセージング、データセキュリティ事業はある程度安定している。しかし今後大きくスケールしていくためのエクイティストーリーとしては迫力に欠ける。やはりキャッシュレス事業、AR事業の成否が鍵となりそう